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〜〜〜韓国ひとり旅日記〜〜〜
☆出発
一人で外国に行くなんて初めて!
心配そうな顔の万里さんとゆうこさんに見送られ、自分自身も不安いっぱいで旅立ちました。
今回泊めて頂いたのは、シムさん家族の家。旦那さん、奥さん、娘、息子の4人家族です。
その家族には日本語は全く通じないし、私の韓国語もカタコトなので、
お互いにジェスチャーを交えてコミュニケーションをとらなければなりません。
日本から持って行ったお土産は、浮世絵がついた靴下やTシャツ、扇子に鏡、ビエントのCD。。。家族のみんなはCDをすぐにかけてくれて、お土産を全部身につけて喜びを表現してくれました。
とってもイイ人たち♪この家族に逢って、不安が少し和らぎました。
☆転入生
いよいよ、民族楽器のスクールへ☆ソウルの繁華街から小さい路地へ入ると、
路上駐車の車や自転車があふれていて、地下にあるというそのスクールへ入るには、
まず自転車をガタガタと退かさなければなりませんでした。
おっかなびっくり教室をのぞくと、30〜40人の生徒さんが太鼓の練習をしています。
生徒さんは、20代ぐらいから60代ぐらいのほとんどが女性。主婦の習い事のようです。
申し込みを済ませて、私が入ったとたん教室は突然シーンと静まり返り、
みんなの視線をいっせいに浴びながら一番後ろに座布団をしいて座りました。
周りの生徒さん達はものめずらしげにジロジロ私を見て、何やら早口でおしゃべりしながら、
時々「キャーッハッハッ!」と大爆笑しています。・・・な、な、なんだよぉ・・・
どうしていいか分からなかったので、とりあえず勇気を振り絞って立ち上がり、
「日本から来ました、みきです。どうぞよろしくお願いしますっ!」
と、大きな声で挨拶したら、、、またまた教室が一瞬静まり返った後・・・
「なーんだ、アンタ韓国語できるじゃん。なんでここに来たの?いつ来た?どこに泊まってる?」
今度はみんないっせいに話しかけてきてくれました。
まるで小学校の転入生になった気分で緊張したけど、どうやら仲間に入れてもらえそうです。
☆授業
パク先生という男の先生の指導で、民族楽器「チャング」という太鼓の授業が始まりました。
アグラをかいて座り、太鼓の一部を足ではさんで両手にバチを持って演奏します。
見よう見まねで私も一緒に練習していたら、2時間も叩くと結構キツイ・・・
なれないアグラ、腕を上げっぱなしの体勢、身体がギシギシ音をたてているかのようです。
やっと休憩に入ると、紙コップでお茶が回ってきました。そしてホカホカあったかいお餅も!
これ美味しい!と喜んでいたら、「たくさん食べな」と、みんなで言ってくれました。
ご存知の方も多いかも知れませんが、ソルピョンという名前のお餅だそうです。
☆お茶
お昼になり、教室の生徒さん達はドヤドヤ帰っていき、残ったのは5人。
お昼からも授業を受けるメンバーです。
みんなについて食堂でごはんを食べたあと教室に戻ると、
パク先生がお茶道具を出していました。日本の急須と湯のみ、お湯をひっくり返すための
大きな器と、急須から一度お茶を出すための小さな器。
パク先生は生徒さん達に何やら説明しながら一人一人の湯のみにお湯を注いで
すぐ器に返し、茶葉を入れた急須にお湯を入れたかと思うと器に返し、
急須から小さい器に注いだお茶を・・・やっと一人一人の湯のみに入れ、
それはそれは時間をかけて日本茶を淹れてくれました。
ん?そのわりには、あんまり美味しくないなぁ。。。と感じましたが、
これが韓国で好まれる日本茶の味なのかも知れないと思い、黙って全部飲みました。
☆嫉妬
私は一週間のうちに全部の授業を受ける予定なので、お昼からの5人授業にも参加しました。
この5人、さっきのおばちゃん達とは全然違う!みんなとっても上手なのです。
ドラのような楽器と、鐘のような楽器、和太鼓のような楽器と、午前中に練習した「チャング」
という楽器と歌でそれは素晴らしい演奏が始まりました。
何回か見ていたらなんとなく覚えることができたので、一緒になってチャングを叩きました。
先生が、「みき、今日入ったばかりなのに出来たじゃないか」みたいなことを言ってくれて、
喜んでいたら、・・・そのあとです。。。睨まれているのです。他のメンバーに。
「なによアンタ、生意気ね!」と、こういう空気は言葉が通じなくても分かっちゃうんですよね。
し、し、しまった。でしゃばりすぎた!その後はおとなしーくヒッソリと叩きました。
韓国の女性はストレートですね。分かりやすいけど。。。
☆必死で移動
その後は誰にもあまり口を聞いてもらえず、いっこうになじめないまま、
初日の授業は終了してしまいました。それでもへこむヒマはありません。
この旅での次なる難関、「バスでの移動」を開始しました。
案の定、バスの停留所案内放送が速すぎて聞きとれない・・・
焦りまくって前の席まで移動して、運転席の上にある電光掲示板に表示される
停留所の名前を必死で読み取り、なんとか目的地に降りることができました。
あーーー、韓国語をもっと一生懸命勉強しておけばよかった。。。
☆ナムサンタワー
お世話になっている家族の、娘ミヨンちゃん24歳と、息子サンシク君22歳が、
学校や仕事が終わってからナムサンタワーという観光地へ連れて行ってくれました。
ソウルの夜景を一望できる、夢のようなタワーです。
結構夜遅くに行ったのに、タワーまで往復しているケーブルカーは満員!!
「怖いねー落ちるーキャー!」
と、ミヨンちゃんが大げさに言って笑わせてくれます。
綺麗な景色を見て、いっぱい写真を撮って、気分が良かったのに・・・
帰りの地下鉄の中で、カタコトでミヨンちゃんと会話している私を見ていたおじさんが
突然!車両中に聞こえる大きな声で怒鳴りました。
「おまえ、日本人だろ。何でここにいるんだ。おまえら昔、俺達に何をやったか知ってるか?
何で平気でここにいるのかって聞いてるんだー!おいっ!」
ミヨンちゃんもサンシク君も、私をかばいながら次の駅ですぐに一緒に降りてくれました。
昔、何をやったか、学校で習ったことがない。その日はいろいろ考えて眠れませんでした。
☆仲良くなりたい
スクール初日に生意気な印象を与えてしまった5人のメンバー、
とっても上手だし、いろいろ教えてもらいたいし、みんな素敵なので、
どうにかして仲良くなりたいけど・・・ニュアンスを伝えられるほど言葉を持っていないし・・・
そこで、最後に渡そうと思っていた日本からのお土産を先に渡すことにしました。
「あなたと仲良くなりたいんです!」と必死に身振り手振りカタコトハングルでアピールして
お土産を渡したら、みんな機嫌を直してくれました。はー、よかった。。。
そして、踊りの細かいところを教えてくれるようになり、日本の話を聞いてくれるようになり、
お互いの仕事や家族のことを話すようになり、一緒にストレッチゲームをするようになり、
日本語にも興味を持ってくれて、家で調べてきたらしく
「こんにーちお」「みき、チャングじゅーずですね」などの日本語を使ってくれたり。。。
国が違ってもみ〜んな同じ人間。言葉以上の心の会話がたくさん出来た気がします。
☆家族の演奏会
お世話になっている家のお父さんシムさんは、いつもニコニコ♪
あれやこれやと私に気を使ってくれます。
ある夜、どこからか笛やハーモニカやフルートを出してきて、
「私は楽器が何でも好きなんだ。だから、みきがミュージシャンだと聞いて、
喜んで受け入れたんだよ」みたいなことを言ってくれて、
いろんな楽器を演奏し始めました。「おーっ!すごいですね〜」と私が拍手すると
なぜか奥さんが、しかめっつら。。。あれ?またマズイこと言ったかしら。。。
それでも旦那さんの勢いは止まりません。今度はギターまで出してきて
弾き始め、「ほらほらすごいだろー♪全部習ったことがないんだよ。独学なんだ」
と、嬉しそうに話してくれました。奥さんは相変わらずあきれ顔。
そこに娘のミヨンちゃんが来て、私もフルート出来るよ!と吹き始めたら、
シムさんが「もう、時間も遅いんだから音を出すのはやめなさい」と一喝!
娘と奥さんがあきれ果ててガックリうなだれているのを尻目に、
「ピアノも弾けるんだよ〜♪」と、言いながらシムさんの独奏会はいつまでも続くのでした。
☆通学路
バスにも電車の駅にも慣れてきました。バスの放送も聞き取れます。
でも、可愛〜い女の子が唾をはきながら歩いたり、ギュウギュウに混雑しているところで
タバコのポイ捨てする人がいたり、田舎でノンビリ暮らしている私にとっては
ビックリすることばかり。。。
一番怖いのは、青にならない歩行者信号。みんなが走って渡る横断歩道があって、
最初はどうしてもその波に乗れず、一人で車道の真ん中に取り残されていました。
何日か後には車の間をぬって走り渡るのも得意になり、都会のコツを少し掴んだ気がします。
☆トイレ
スクールにはトイレがなく、雑居ビル共同トイレまで行かなければなりません。
このトイレだけは、どうしても慣れることができませんでした。。。
ただの穴と、水道とバケツ、ゴミ箱。以上!自分でバケツに水をくんで流して、
紙は流してはいけないのでゴミ箱に捨てるんだそうです。
日本のトイレは世界一清潔なんですって。日本人は幸せですね。
☆踊り
踊りの授業は一日4時間。足が2倍ぐらいに膨れ上がるんじゃないかと思うほど
キツイ。。。そして難しい。。。そして厳しーい。。。
20代ぐらいで一番体力があり踊りが上手なヒョンヒちゃんに、
「私は年とっているので、足も肩も痛いよー。」と声をひそめて話しかけたら、
「ふふふ。私はもっと年が多いんだよ〜♪本当は、よんじゅういっさい」
「えーーーーーっ!!!???」
年のせいにして言い訳した自分が情けな〜くなりました。少し運動して身体作りをしなきゃ。
☆インスタントコーヒー
スクールではみんな、インスタントコーヒーをたくさん飲みます。
韓国での主流は、コーヒーも砂糖もミルクもあらかじめ混ぜてあるマキシムのコーヒーです。
お昼御飯を食べに先生と一緒に外に出た時、近所のお店に売ってあるのを見つけて、
日本の友達に買って帰ろうと思い、先生に「お土産買って来ます」と伝えてお店に走りました。
ところが、ここでまた大失敗!たーくさん買ったインスタントコーヒーを
先生が全部持って下さったので、「うわぁ重いのにスミマセン!ありがとうございます。」
と言ったら、「何言ってるんだ、こちらこそありがとう。」
・・・?・・・・?・・・・?
しまった、そういえばさっき「日本の友達に」と言わなかったんだぁ。。。
教室に戻ると、他のメンバーみんなに、「みき〜、気が利くじゃないの!ありがと♪」
と、大歓迎されてしまい、エヘヘ〜と笑いながら、空っぽに近くなったお財布を思い、
はぁ〜・・と、ため息をつきました。。。
☆お茶の真実
パク先生は相変わらず昼過ぎになると毎日みんなに仰々しく日本茶を淹れます。
ある日、お茶を飲みながら生徒さんの一人が
「あー、美味しいねぇ。こんな美味しいモノが飲めるのも、みきのおかげだね♪」
と、言いました。そうだったんだ!毎日飲んでいるわけではなく、
日本から来た私のために、みんなであわせてくれていたことにやっと気付きました。
茶葉の分量が違うのか、水がまずいのか、いつものようにやっぱり味はイマイチだけど、
その日のお茶はとーっても美味しく感じました。
☆テレビのニュース
家族と一緒にテレビを見ながら夜食を食べていた時のこと。
言葉が分からなくても充分面白いコメディ番組が終わったあとに、ニュースが始まりました。
日本の総理大臣が映っています。教科書の問題か、竹島の問題か、
従軍慰安婦の問題についてのニュースのようです。
アナウンサーは、ずいぶん感情的にヒステリックな怒りの声をあげています。
「あ、もしかして、、いつもこんな風に日本のことを報道されているのかな・・」
と、肩身の狭―い気分になった時、テレビの画面に昔の写真が次々に映し出されました。
韓国人の襟をつかんで銃を突きつけている人、韓国人に槍をさそうとしている人、
「うわぁーーー、ゴメンナサイ!ごめんなさい!恥ずかしいです。日本人として。」
私の韓国語ではこれぐらいしか言い表せなくて、悲しくなりました。
すると、奥さんも大慌てで「ちょっと、あなた!早くチャンネル変えなさいよ!
ほーら、まだ夜食が残ってるわよ〜。食べよう食べようっ!」と言ってくれました。
こんな報道されている国の人間をこんなに温かく受け入れてくれるなんて、
嬉しくて、申し訳なくて、悲しくて、お風呂でこっそり泣きました。
☆スクール最終日
あっという間にスクールで勉強するのは最後になってしまいました。
午前の授業が終わって、おばちゃん達とはお別れ。
「うわぁ〜しまった!みきに娘のカバンをあげようと思っていたのに忘れてきたー!」
と言ってくれる人や、腕輪をくれる人、家で作ってきたチゲをタッパーに入れてくれる人、
温かい言葉をたくさんかけて頂きました。
そして、いつもの5人メンバーともお別れの時。
「みきは言葉はヘタクソだったけど、気持ちは通じたよ。言葉がなくたって心は通じるんだ。」
「なーによ。みきは嬉しいでしょうよ、日本に帰れるんだからねっ。
でも、でも、みんな寂しいんだからー。わぁーんっ!!」
みんなの言葉で、ついに私も我慢が出来なくなって号泣してしまいました。
「また、おいで。次に来た時にみきが泊まるところは、たくさんあるんだよ」
最終日はパク先生の優しい言葉で締めくくられました。
☆熊本へ
一週間分の荷物と、でっかい楽器ケースをかかえてシムさん宅を出発。
バス停まで見送ってくれた家族は、私が一人で空港まで行けるかとても心配して
何度も何度もバス番号を確認してくれました。
バスの窓から涙をこらえて笑って手を振った後、終点のインチョン空港までの間
この日記を一気に書きました。
振り返ると、あまりにも短期間で一瞬の出来事のようですが、
短くても本当に充実した旅でした。少−し強くなれたような気がします。
飛行機が熊本に到着するまでグッスリ眠り、着陸時の振動で目を開けると
窓の外には満開の桜っ!「オー、イエッポー」
あまりにも必死で1週間韓国語をしゃべっていたので、頭の中はすっかりハングル。
到着後しばらくは、日本語までもカタコトになっていました。
終わり♪
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